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相続専門の税理士
これまで200件程の相続税申告を行ってきました。その経験を活かして、自分で相続税申告をしようと考えている相続人であるあなたのお手伝いが出来たらと考えています。

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【相続税のトリプルパンチ!】孫が生命保険を受け取ると相続税の失敗対策に?

相続税のトリプルパンチ

あなたが加入している生命保険の保険金受取人が、お孫さんの名前になっていると相続税で損をしてしまうことを知っていますか?

孫は相続人ではないから、相続税の生前対策としてお孫さんに金銭等の贈与をされる方は多いと思います。

これは、確かに相続税の生前対策として非常に有効です。

しかし、「孫に贈与すれば相続財産からはずれる」という考えからか、「生命保険金の受取人を孫にすれば相続税の節税になる」と勘違いされている方がいます。

相続税がかからない方にとっては、受取人がどなたであれ問題ありません。

しかし、相続税の対策として生命保険の加入しているのに、その保険金の受取人がお孫さんになっている場合には、それは間違った対策になります。

すぐに、受け取人の変更手続きを行いましょう。

この記事を見れば、なぜお孫さんが保険金の受取人になると相続税で損をしてしまうかが分かります。

そもそも生命保険は相続税対策になる理由

この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)である場合、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

国税庁 NO.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金

被相続人(亡くなった人)が保険料を負担していた場合には、相続人が生命保険金を受け取れば、「500万円×法定相続人の数」については、非課税となります。

例えば、相続人が3人で相続財産が現金6300万円だけだと、相続税は150万円かかります。

しかし、この現金のうち1500万円を支払い生命保険金1500万円受け取れる保険に加入すれば、相続税は0円になり相続税の申告は不要となります。

また、税理士の費用63万円(相続財産×1%と仮定)もかからずに済みます。

生命保険は相続税の節税対策となります。

相続税の申告義務も不要となれば、手続き的な負担も軽減されます。

相続税のトリプルパンチ

生命保険の受取人を孫にすると大変

相続税の計算上、お孫さんを受取人すると相続税の計算上トリプルパンチの負担がありますので、相続税が発生する場合には、避けた方が良いでしょう。

相続税が高くなってしまう3つのポイント

①相続税の非課税枠が使えない
②相続税が2割加算されてしまう
③生前贈与加算の対象になってしまう ※改正後は相続開始前7年分の贈与が相続財産に加算

①相続税の非課税枠が使えない

生命保険金の非課税枠を使うには、生命保険金の受取人が相続人である必要があります。

代襲相続や養子でない場合には、孫は相続人になりませんので、非課税枠が使えません。

②相続税が2割加算されてしまう

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます。)および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。

国税庁HP No..4157 相続税の2割加算

相続人であっても、通常二親等以上の相続人になる場合には、相続税が2割増えてしまいます。

孫が代襲相続で相続人となる場合以外については、孫は二親等になりますので、この2割加算の対象となってしまいます。

③生前贈与加算の対象になってしまう

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に暦年課税に係る贈与によって取得した財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。

国税庁HP NO.4161 贈与財産の加算と税額控除 

生前贈与加算の規定は改正があり、令和6年より毎年1年延長され今後最大で7年以内にした贈与が加算されることになります。

相続税のトリプルパンチの具体例

下記の前提で試算してみます。

  • 夫が被相続人(亡くなった人)
  • 相続人は、妻、長男、長女の3人
  • 相続財産は1億円(うち1500万円が孫2人が受取人の生命保険金)
  • 孫2人には、相続開始前3年以内にそれぞれの孫に110万円の贈与あり

①子供に生命保険をしていた場合と比較

スクロールできます

相続税額
孫が受取人416.61万円
子が受取人236.56万円
相続税の差額約180万円
受取人が孫と子であった場合の比較
計算式を確認したい場合には右の「」をクリックしてください。

【孫が受取人の場合】
1億円+110万円×3年×2人(生前贈与加算)-4800万円=5860万円 ※非課税が受けられない

配偶者・子 5860万円×1/2=2930万円
配偶者 2930万円×15%-50万円=389.5万円
長男  1465万円×15%-50万円=169.75万円
長女      〃      =169.75万円
合計  389.75万円+169.75万円+169.75万円 =729万円
孫が取得する分   729万円×2160万円/1億660万円×20%29.54万円(2割加算)
配偶者の税額軽減 729万円×5000万円/1億660万円=▲341.93万円
729万円-341.93万円+29.54万円=416.61万円  
∴相続税 416.61万円

【子が受取人の場合】
1億円-1500万円-4800万円=3700万円

配偶者・子 3700万円×1/2=1850万円
配偶者 1850万円×15%-50万円=389.5万円
長男  925万円×10% =92.5万円
長女      〃      =92.5万円
合計  389.5万円+92.5万円+92.5万円 =574.5万円
配偶者の税額軽減 574.5万円×5000万円/8500万円=▲337.94万円
574.5万円-337.94万円=236.56万円  
∴相続税 236.56万円

相続税がかかる方でお孫さんを生命保険金の受取人にしている場合には契約上の受取人の変更を行いましょう!

相続税上、お孫さんを受取人にするメリットはありません。

契約上の受取人を変更するのは、贈与税もかかりませんので、受取人を子に変更するなどの対策をすぐに行いましょう!

相続税の申告が不要の場合には、お孫さんを生命保険金の受取人にすることは問題ありませんし、相続税を多く支払ってでもお孫さんに渡したいということであれば、それも問題ありません。

現状で自分が相続税がかかるどうか分からない場合には、相続税の試算をされることをオススメします。

専門家の話を一度も聞かずに生前対策を進めるのは不安かと思います。そもそも対策が必要ない場合もありますので、これを機会に色々お話頂けると嬉しいです。

>>ご相談はこちら

 

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この記事を書いた人

これまで相続税専門の税理士法人での勤務を含め、10年以上で200件を超える相続税申告を行ってきました。その経験を活かして、自分で相続税の申告をしようと考えている方のお手伝いをさせて頂きます。

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